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ベイヒルズ社労士事務所便り2021年6月号「【選択的週休3日制】の導入に向けて議論開始」

「選択的週休3日制」の導入に向けて議論開始

自民党の一億総活躍推進本部は、希望する社員が週3日休むことができる「選択的週休3日制」の導入に向けた議論を進めており、政府は、今夏の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に盛り込む方向で調整しています。

◆コロナ禍の柔軟な働き方の後押しに

厚生労働省の「令和2年度就労条件総合調査」の結果によると、全体の82.5%の企業が「週休2日制」を採用(うち44.9%は「完全週休2日制」を採用)し、8.3%の企業が「完全週休2日制より休日数が実質的に多い制度」を採用しています。
近年、働き方改革推進の一環として、大企業を中心に週休3日制を導入する企業が増えていますが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、中小企業でも在宅勤務や柔軟な働き方への対応が求められるようになりました。そこで、政府は、労働生産性を高めながら働き方の選択肢を広げるために「選択的週休3日制」の導入を促す議論を開始しました。

◆メリットと課題

自民党の一億総活躍推進本部が示した「選択的週休3日制」のメリットは以下のとおりです。

      • 育児や介護、治療に充てる時間の増加
      • リカレント教育(学び直し)や大学院進学によるキャリア形成
      • 地方での兼業やボランティア活動の促進

一方で、給与体系や人事評価、労務管理への影響が懸念されます。特に1日あたりの労働時間が増え週の出勤日数が減ることによって、個人や他の従業員への業務の負担が増えることが考えられます。
また、従業員の多い大企業や中小企業の人員に余裕のある部署等は導入しやすいが、従業員数の少ない中小・零細企業には導入のハードルが高いとの意見も出ています。
現在、企業は週休3日制を労使の合意などで導入することができますが、政府は「選択的週休3日制」を導入する企業に対する助成金等の支援も検討しているとしています。今後、メリットや課題について十分に議論し、労使双方の効率化が図られることを期待したいと思います。

【厚生労働省「令和2年度就労条件総合調査」】

「令和3年度地方労働行政運営方針」にみる労務管理のポイント

◆気になるポイントは?

今後の労働基準監督署等による監督・指導方針の傾向がわかる「令和3年度地方労働行政運営方針」が策定されました。気になるポイントを見ていきましょう。

◆雇用の維持・継続に向けた支援

新型コロナウイルス感染症への緊急的な対応期を経て、ポストコロナへ政策の重心が移っていくようです。
産業雇用安定助成金やトライアル雇用助成金などを活用した、在籍型出向の活用や再就職支援を支援する、とあります。出向契約や出向に関する意向の確認などが重要となるでしょう。

◆女性活躍・男性の育児休業取得等の推進

女性活躍推進法の行動計画策定義務対象企業が、この4月より101人以上に拡大されています。また、新設が予定される、いわゆる男性版産休制度(子の出生後8週間に4週間の休みを取得可能とすること等が柱)も、制度の施行は2022年秋頃が予定されているようですが、どのような内容になるのか確認しておく必要があるでしょう。

◆テレワーク、労災

今や、やっている・知っていて当然となったテレワークに関しても、取組みを強化するようです。人材確保等支援助成金による支援があります。テレワークに関しては技術的な面からも、労働時間の管理、健康管理などの労務管理の面からも、これから人事労務担当者の必須の知識となるでしょう。
また、新型コロナウイルス感染症による労災にも注意しておきましょう。医療関係の職種だけではなく、ビルメンテナンス業の清掃員や建設業の施工管理者・営業職従事者・建設作業員、港湾荷役作業員、販売店員でも新型コロナウイルス感染症による労災が認められた事例があります。
監督・指導は長時間労働の是正に関する監督指導が中心にはありますが、今年度の運営方針では、職場のハラスメントや勤務間インターバル、同一労働同一賃金などについても触れられていますので、昨今の傾向を反映した調査・指導にも注意が必要です。

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