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ベイヒルズSR通信9月号「最低賃金 過去最大の引上げにどう対応する?」「女性活躍の状況、採用への影響も?」

最低賃金 過去最大の引上げにどう対応する?

◆2022年度の最低賃金は10月より適用

8月2日、厚生労働省が公表した2022年度地域別最低賃金額改定の目安は、Aランク31円、Bランク31円、Cランク30円、Dランク30円と、過去最大の引上げとなりました。(下記表参照)
今回改正された最低賃金の引き上げは10月より適用されます。

 

ランク

都道府県

A

埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪

B

茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島

C

北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡

D

青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

(参考)各都道府県に適用される目安のランク

 

◆東京都、神奈川は31円の引き上げ額に

これを踏まえて各都道府県の地方審議会における改正の議論が行われ、8月9日までに、27の都道府県で答申もしくは公示が行われています。
これにより、全国で最も高い最低賃金は東京都の1,072円、次いで神奈川県が1,071円となりました。
また、茨城県、兵庫県、佐賀県、熊本県、北海道では、中央最低賃金審議会が答申した額を上回る引上げを決定したところもあります。

◆中小企業向けの支援策は?

一方、中央最低賃金審議会では、企業物価指数が9%超の水準で推移する中で多くは十分な価格転嫁ができず厳しい状況であること、特に中小企業・小規模事業者の賃金支払能力の点で厳しいものとなったとの受止めはされています。
そのため、答申において、中小企業向けの支援策に関する政府に対する要望も盛り込まれています。

 

◆業務改善助成金の動向に要注目

具体的には、業務改善助成金について、原材料費等の高騰にも対応したものとするなどより実効性ある支援の拡充、また、最低賃金が相対的に低い地域における重点的な支援の拡充等が挙げられています。
具体的な内容はまだ明らかにされていませんが、昨年度は、最低賃金引上げに対応した業務改善助成金特例コースの受付が、2022年1月13日に開始されました。こうした支援策の動向にも注目しておくとよいでしょう。

詳細は厚生労働省「令和4年度地域別最低賃金額改定の目安について」をご確認ください。

 

女性活躍の状況、採用への影響も?

◆女性管理職の比率

「令和3年度雇用均等基本調査」(厚生労働省)の結果によると、課長相当職以上に占める女性の割合は12.3%(2020年度は12.4%)で、係長相当職以上では14.5%(同14.6%)と、いずれも0.1ポイント低下しています。
また、役職別にみた女性の割合は、次のようになりました。 

役職

うち女性の占める割合

2020年度同結果

役員

21.4%

20.3%

部長相当職

7.8%

8.4%

課長相当職

10.7%

10.8%

係長相当職

18.8%

18.7

欧米やシンガポール等のアジア諸国で30~40%近い国々があるのと比べると、まだまだ低いようです。

 

◆女性活躍の状況に関する公表義務が拡大

現在、女性活躍推進法により、労働者数が101名以上の事業主に対し、女性の活躍にかかる「行動計画の策定・公表」が義務化されています。
具体的には、女性の活躍に関する状況把握・課題分析、数値目標と取組みを盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表などです。
301名以上のいわゆる大企業については既に義務化されていましたが、今年4月にその適用対象が広がりました。100名以下の企業は、努力義務となっています。

 

◆男女の賃金格差の開示義務も拡大へ?

さらに、7月には、従業員が301名以上の企業に対し、男女の賃金格差を開示することが義務付けされました。これもいずれ、適用対象企業の範囲が広げられるかもしれません。

 

◆採用場面で不利に?

適用対象ではないからといって、自社の状況を把握していないのは今後の人材採用の場面で不利になる可能性が高まります。来るべき適用拡大に備え、検討を始めてみてはいかがでしょうか。
その際には、「短時間正社員制度」、「勤務地限定正社員制度」、「職種・職務限定正社員制度」などの制度や残業削減方法など、働きやすい環境づくりについても併せて考える必要があるでしょう。

詳細は厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」をご確認ください。

 

ベイヒルズSR通信(2022.9月号)PDF版はこちらから>>

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