ベイヒルズSR通信 11月号「健康保険の被扶養者認定は2026年4月から労働契約内容で年間収入を判定」「外国人労働者に人事・労務を説明する際に役立つ支援ツール」
健康保険の被扶養者認定は2026年4月から労働契約内容で年間収入を判定
被扶養者の認定は、原則として「今後1年間の収入見込み」で判断されます。
2026年4月以降は、労働契約で定められた賃金を基準として収入を判定することとなりました。
◆ 被扶養者認定における「収入基準」の考え方
労働契約で定められた賃金(労働基準法第11条に規定される賃金で諸手当・賞与を含む)から見込まれる年間収入が 130万円未満(※以下の場合は基準額が異なります)であり、かつ他に収入が見込まれない場合、次の条件を満たせば被扶養者として認められます。
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認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合
被保険者本人の年間収入の2分の1未満であること -
認定対象者が同一世帯に属していない場合
被保険者からの援助による収入額より少ないこと
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※ 基準額の目安
・60歳以上または障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者 … 180万円未満
・19歳以上23歳未満の子(配偶者を除く) … 150万円未満
◆ 労働契約内容による収入見込みの確認方法
労働契約に基づいて収入見込みを判断する場合は、労働条件通知書などの契約内容がわかる書類を提出し、内容を確認します。
あわせて、認定対象者本人から「給与収入のみである」旨の申立書を求め、収入の種類を確認することになります。
通知書等に記載された賃金から算出した年間収入が、上記の基準額(130万円/180万円/150万円)未満であれば、原則として被扶養者として取り扱われます。
また、労働契約の更新や賃金変更など条件が変わった場合には、その都度、最新の契約内容をもとに確認を行い、必要に応じて書面の提出を求めることとされています。
>>出典
【労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて】
【労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&Aについて 】
外国人労働者に人事・労務を説明する際に役立つ支援ツール
日本の法制度や雇用慣行は、外国人労働者にとっては馴染みのないことも少なくありません。
そのため、厚生労働省では、職場のルールや制度について理由や背景も含めて説明し、理解を深めてもらうことを目的とした支援ツールを提供しています。

◆ 『外国人社員と働く職場の労務管理に使えるポイント・例文集』
採用・賃金・労働時間など9つのテーマに分け、実際の雇用管理の場面ごとに次の内容がまとめられています。
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外国人社員に説明する前に理解しておくとよいポイント
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「やさしい日本語」での説明例(そのまま話したり、資料として見せることが可能)
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例えば、採用後に労働者が提出する書類については、「日本では、あなたに代わって会社が税金や保険の計算をします。あなたのためにしますから、必要な情報を会社に教えてください。」
といったルビ付きの例が示されています。
◆ 雇用管理に役立つ多言語用語集
人事・労務の場面でよく使われる労働関係・社会保険関係の用語約420語について、定義・例文を検索できる用語集です。
就業規則や給与・手当の説明時に、外国人社員が理解しにくい用語を検索して翻訳を提示したり、入社前の学習用や辞書として活用したりすることが想定されています。
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やさしい日本語のほか、9言語に対応。
(英語、韓国語、中国語(簡・繁)、タガログ語、ベトナム語、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、インドネシア語、カンボジア語、タイ語、ミャンマー語、モンゴル語)
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◆ モデル就業規則ほか
厚生労働省のモデル就業規則は外国語版も提供されています。
その他にも、日本国内で働く外国人向けの「労働条件ハンドブック」や、外国人労働者の労災防止に役立つ教材・資料も整備されており、実務での説明や安全管理に役立てることができます。
>>出典
【厚生労働省「外国人の方に人事・労務を説明する際にお困りではないですか?」】
【厚生労働省「外国人労働者の安全衛生管理」】
>>ベイヒルズSR通信(2025.11月号)PDF版はこちらからご覧ください

